少子高齢化・共生社会に関する調査会の質疑録です。

少子高齢化・共生社会に関する調査会 2009.11.18
少子高齢調査会 牧山ひろえ
○牧山ひろえ君

民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。

 今日は、病後児保育、その話をお聞きしたいと思います。中川副大臣それから細川副大臣、よろしくお願いいたします。

 今年三月十一日に予算委員会において、私は、保育所の整備だけではなくて病後児保育所の整備もセットで考えていく必要がある旨を質問いたしました。
 御存じのとおり、保育所に通う子供が三十七・五度以上の体温になった場合、保護者は子供を保育所に迎えに行かなくてはならないという決まりがございます。特に、寒い冬場などは風邪で連日熱を出す子供も多いというのも事実でございます。したがって、働く親にとってはとてもこれは無理難題であると考えます。
 病児・病後保育所は、平成二十年末で千百六十四か所、定員は不明ですけれども、平均して大体二人から四人のキャパシティーというふうに伺っております。全国的に見ると、二万三千の認可保育所の総定員が二百十三万人なので、単純に比較いたしますと、二百の保育所の施設に対し一の病児保育施設とも言えると思います。人数の対比でいいますととんでもなく深刻な数字になってしまいます。一般的には、両親あるいはベビーシッターの助けがない方が多いはずであり、保護者にとっては厳しい現状だと思います。
 そこで、保育所と病後児保育、病児保育所をセットにした政策が必要だと思いますが、両副大臣、この考えについていかがでしょうか。

○副大臣(細川律夫君) 今委員から指摘されましたことについては、これは子供さんにとっても親御さんにとっても大変深刻な問題だというふうに思います。具体的に厚生労働省としてどのような施策でいくか、審議官の方からお答えをさせていただきます。

○政府参考人(香取照幸君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、病児・病後児保育は私どもも非常に重要な施策の一つと考えておりまして、様々な保育所に対する要望を聞きましても、絶対数の保育所が足りないという話の次に必ず出てくるのが病児・病後児と延長保育と休日・夜間保育ということになっております。
 現在、平成十六年に策定しました子ども・子育て応援プラン、これは内閣府で策定していただいたものですが、二十一年度末までに千五百か所ということで現在も整備を進めているところでございます。
 病児・病後児保育は実は平成十九年からカテゴリーを二つに分けてございまして、いわゆる病児対応型といいまして、実際に病気があったり病後のお子さんを病院ですとかあるいは医療スタッフのいる保育所でお預かりをするというタイプと、保育園で体調が悪くなったときに保育園の養護室等で保育園に配置をしている看護師さんで見る、我々、体調不良児型と申しておりますが、二つに分けてございまして、今、前者が八百四十五か所で後者が三百十九か所、足して、今先生のお話の千百六十四、一応これ千五百まで持っていきたいというふうに思っておりまして、これにつきましては予算等での措置も含めまして重点的に取り組んでいるところでございます。

○副大臣(中川正春君) 文科省管下の幼稚園については、この病児・病後児保育という制度そのものがありません。しかし、考え方が恐らく教育というところに重点を置いた幼稚園制度だからということだと思うんですが、これから認定こども園の政策が入ってきて、幼保一元化も進めていくという前提でありますので、私たちも勉強して取組をしてみたいというふうに思っています。

○牧山ひろえ君

これも中川副大臣と細川副大臣、両副大臣にお伺いしたいんですけれども、小児科と保育所が一体あるいは隣接していれば、子供の体調が急変しても比較的安心だと思うんです。また、搬送する必要がなくなると思います。
 保育所に隣接して小児科あるいは病院を新設、移設する場合、又は小児科あるいは病院に隣接して保育所を新設、移設する場合に、新設、移設する小児科又は保育所に対する何らかのインセンティブや補助があるとよいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(香取照幸君) お答え申し上げます。
 今、病児・病後児保育は二つのカテゴリーがあると申し上げましたが、もう一度申します。
 前者の方は、割と熱があったりあるいは病後で体調の不良のお子様を、ある程度そういう医療スタッフの整ったところ、これは通常、小児科あるいは小児科のある病院の中にそういう施設を設ける、あるいは、そういった医療施設がお話のあったように併設されていたり、近隣に医療機関のある保育所で預かるというカテゴリーになっています。これと、お子様を保育園の中で状態が悪くなったときに別室のスペースで預かるものがありまして、前者、後者それぞれ今別々の形で、お話のような形で助成を出しております。
 具体的に、併設をする場合に例えば土地代を加算するとかいうようなそういうことはしておりませんけれども、そういった二つのカテゴリーのタイプに沿った形で、一応補助金を付けて整備を進めるという形で現在対応してございます。

○副大臣(中川正春君) 一つの御提言として受け止めさせていただきたいと思うんですが、さっき確かめましたら、幼稚園は、学校なんかでやっている学校医制度といいますか、そういうものに対しての担保もないということでありますので、そういうことも含めて対策として考えていくことかなというふうに受け止めさせていただきました。

○牧山ひろえ君

 小児科と保育所が一体又は隣接していれば一番いいんですけれども、今ほとんどの場合はそうではないので、子供が三十七・五度以上の熱になった場合に保護者がしょっちゅう迎えに行くというのは大変困難だということを先ほど申し上げました。
 そういった場合、救急車まではいかないかもしれませんけれども、医療スタッフを含む設備がある程度整っている車でその病気の子供の搬送を任せられる、そういう搬送のシステムというのをお考えになるというのはいかがでしょうか。
 両副大臣、お願いいたします。

○政府参考人(香取照幸君) 先ほどちょっと申し上げ損ねたんですが、先ほどあった幼稚園あるいは小学校の場合と同様に、保育園は必ず園医さんというのがいらっしゃって、そこと必ず嘱託関係を結んで通常の健康診断ですとか予防接種も、あるいは、今お話し申し上げたような容体急変になった場合のお子様の対応ということもお願いしておりまして、通常これは当然、幼稚園のお子さんですので、近くにある小児科の先生と連携を取るという形になっておりますので、通常の体調不良等の場合であれば適宜お医者さんの方に連れていく、あるいは来てもらうと。恐らく、現場の実態でいうと保母さんが連れていかれる、もしお母さんが来るのが間に合わなければ行くというような形を取っていると思います。
 そして、本当に状態が悪い場合は、当然ながら通常の救急搬送で救急車が使えますので、基本的にはそういった形で現在対応できているんではないかというふうに思っております。

○牧山ひろえ君

 今の私の質問で言葉足らずだったかもしれませんけれども、三十七・五度、まあ三十七度台の熱といいますか、軽度な病状の場合もそうなんでしょうか。そういった場合も、何か搬送する、親が急には迎えに来られなかったからということではなくて、その程度の場合だったら搬送してくれるような、そういうシステムは考えられないでしょうか。

○政府参考人(香取照幸君) もちろん、そういうやり方も当然考えられるというふうに思っておりますが、ここはなかなか議論がいろいろあるところで難しいところだと思うんですが、例えば諸外国の例ですと、病児保育というカテゴリーはほとんど存在しなくて、我々も調べてみたんですが、例があるかと思って。余りなくて、子供が病気のときは当然親が休むのが当たり前だという答えが返ってきて、余りそういう制度ってないんですね。
 あと、病気であれば集団保育のところに連れていく方がむしろ不自然なので、家に例えばベビーシッターさんを呼ぶとか、その費用を公費で見るとか、何かそういうやり方をしている国がどうも多いので、実は余り先例がないので我々も確たることは申し上げられないんですが。
 今の病児保育の考え方は、ある程度状態が重くて、でもやっぱり仕事が休めないので預けなければいけないという方は、先ほどの病児対応型のようなところでお預かりをすると。比較的ちょっと軽いと言うと語弊がありますが、ちょっと状態が悪かったり体の具合が悪かったりする者は、保育園の側で保育士なり看護師なりなんなりを配置してある程度静養室なんかで対応して早めに帰るとか、そういう形で対応できるような形の対応が今の対応になっております。
 もちろん先生がおっしゃるようなやり方もできる、できなくはないと思うんですが、そこはまたちょっといろんな要素も含めて勉強させていただきたいと思います。

○牧山ひろえ君

 時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。